中央本線日野駅から徒歩10分、相続・遺言の相談なら多摩・八王子相続相談センター

HOME サイドメニュー > ブログ > ブログ > 行政書士山口のブログ15 兄弟はどこに

行政書士山口のブログ15 兄弟はどこに

兄弟はどこに

ある高齢の男性(父親)が亡くなり、

相続人は、子供である兄弟が3人でした。

母親は、既に亡くなっています。

 

この場合、

その父親の財産について、

遺言がなければ、子供たち3人で

遺産分割協議をすることになります。

 

ただ、本件では、その3人のうちの1人が、

もう長い間、音信不通になっており、

その人と連絡が取れません。

 

連絡が取れないと、相続人全員での、

遺産分割協議ができません。

 

この場合に、遺産分割協議を成立させるためには、

まず、現在、連絡が取り合える2人が、

お互いに手を尽くして、

音信不通になっている兄弟を探します。

 

しかし、

どうしても探し出せなかった場合は、

その音信不通の兄弟について、

失踪宣告をしてもらうことが考えられます。

 

失踪宣告は、この手続を経ることによって、

その人について、

従来の住所を中心とする私法上(民法上)

の法律関係に関し、

死亡したのと同じ扱いをするという制度です。

 

失踪宣告には2つあり、

乗っていた船が沈没し、死体が確認できなかった

というようなときに使われる、特別失踪が1つ。

 

もう1つは、事故などがなくても、

生死不明の状態が7年間続くと

利害関係人の請求によりなされる、普通失踪です。

 

失踪宣告が確定すると、

本件のような、普通失踪の場合は、

生死不明の状態になってから、

7年の期間満了時に、死亡したものとみなされます。

 

ただ、これは、あくまで、

もとの住所を中心とする法律関係について、

死亡したのと同じ法律効果が認められるにすぎません。

 

従って、

実は、その人がどこかで生きていた場合は、

その人が、失踪宣告後に、

例えば、契約を締結できなくなる

というわけでありません。

 

この、失踪宣告がなされると、

宣告がなされた人を除いて、

残りの相続人で、

遺産分割協議をすることができることになります。